マントラについて
マントラ(mantra)はサンスクリットで、本来的には「文字」「言葉」を意味します。真言と漢訳され、大乗仏教、特に密教では仏に対する讃歌や祈りを象徴的に表現した短い言葉を指します。唱えたり、ハミングしたり、歌ったり、または心の中で唱えたりする言葉や文章で、瞑想に必要な落ち着きをもたらすためのものである。普通は、神をたたえる言葉が使われています。
ゆっくりした響きのよいマントラは、心拍数を下げ、緊張を緩めると科学的にも証明されています。またその言葉のもつエネルギーの波動は集合化し、現実に反映するといわれ、唱えた瞬間に、唇を伝わって発生した言霊が神さまに届くとも言われています。ヴェーダ哲学の文献には、マントラの詠唱の合計数が12万5000回に達した瞬間どんなに不可能に思える望みでも、願いは確実に聞き届けられると記されています。
宗教的には讃歌、祭詞、呪文などを指し、インドではヴェーダ聖典、またはその本文であるサンヒター のことをいいます。またタントラ教ではシャクティ崇拝の儀礼の際に用いられる祈祷の定型句、ヨーガ学派では音声による修行法を意味します。密教では、真言を念じて心を統一する真言陀羅尼(しんごんだらに)が重要視されました。
また、諸仏を象徴した種子(しゅじ)と呼ばれる悉曇文字(しったんもじ)も真言の一種といえます。チベット仏教では「Om Mani Pedme Hum」(オム・マニ・ペメ・フム)というマントラがよく唱えられています。チベット人にとっては、慈悲の化身とされる観音菩薩のこの呪文を唱えることにより解脱されると信じられ、このマントラはチベット仏教圏ではしばしば音楽にアレンジされ、CDでも発売されています。
- オム(Om)- 悟りの境地。
- マニ(Mani)- 宝石を意味し、秩序、慈悲、思いやりなど悟りを開くための要素。
- ペメ(PADME)- 蓮の意味。知恵を表す。
- フム(Hum)- 分離不可能なものを意味し、知恵と秩序が結合・調和し至ることのできる純粋なる境地。
仏教の開祖・釈迦は一部のマントラを除き、マントラの読呪を禁止しましたが、密教において再びマントラの読呪が行われるようになりました。




















