東洋医学について
東洋では古来より、体中に「気」が巡っていると考えられてきました。その気の流れる道を「経絡(けいらく)」と呼び、外界との気の交流を行う所を「経穴(けいけつ)」(一般的に言われるツボの事です)と呼びます。
この経絡を流れる気の乱れから病が生ずるのです。治療は、それぞれの経絡の気の過不足を調節する為の手技を経穴に施します。その事によって生命力が強化され、人体が持つ「自然治癒力」を向上させ、病を治癒へと導くのです。
【天人合一思想(てんじんごういつしそう)】
自然界を大宇宙、人体を小宇宙とし、自然界の出来事も、人体の生理・病理・疾病の発生なども同じ法則で説明できると考えています。
【相対的認識思想】
生態機能や病態の認識、治療原則など、陰陽・表裏・虚実・補瀉(ほしゃ)など、相反する二つの概念によって相対的に捉えます。
【心身一如の医学】
心と体は一体のものであり、人体のあらゆる機能は心と体の相互作用によってなされると考えています。精神状態や感情の動きを病因として重視し、また、身体的な異常は精神活動に影響するとしています。
【全体的な診察・治療】
病因・症状・体質・精神的な状態などを総合的に捉え、治療も全身的な調節に重きをおいて行います。東洋医学では、「病気をみるのではなく病人をみる。病気を治すのではなく病人を治す。」といわれています。
【診断即治療】
病名診断ではなく、患者を全体的に捉え、得られた結果を「証(しょう)」と表現し、治療方針を指し示します。この証に従って治療するため、「随証治療(ずいしょうちり)」とも呼ばれます。
【独特の生理観・疾病観】
気血(きけつ)・臓腑・経絡など、独特の生理観。病邪の盛衰、気血の虚実など独特の疾病観を持っています。
【「未病を治す(みびょうをちす)」を重視】
東洋医学は「未病を治す」ということを理想としています。未病とは半健康な状態で、一種の機能障害の段階で、この状態を放置しておくと、器質的な病変に基づく本格的な病気に発展するのです。
「未病を治す」とは、半健康な状態を健康なレベルに回復させることです。また、東洋医学では健康を維持するための食養・呼吸法などの様々な養生法(自己健康管理法)が考えられています。鍼、灸、気功なども健康の保持増進、疾病の予防に大いに寄与しているのです。
陰陽論
東洋の思想では、世の中の始まりは一つの「太極」でした。ビックバンにより、そこから拡がっていく力(陰)が働き、その力が極まった時に収縮する力(陽)が起きた。そして、陰は音となって精神を創り、陽は光となって物質を形成し肉体を創ります。これが世界や人、陰陽論ができるキッカケになった出来事です。簡単に陰陽の性質を説明します。
- 陰・・・拡張性、上へ上がる、冷たい、動かない、色は青く白い。
- 陽・・・求心性、下へ下がる、温かい、よく動く、色は赤い。
このように相対する性質を持ちます。ここで重要なのは、陰陽とは互いが存在する為に成り立つものである、という事です。これを東洋では、「陰陽互根」と呼びます。
陰陽の代表的な例として、男と女を挙げます。男は陽、女は陰とするのですが、もし、世の中に男しか存在しなかったなら、男は人であるだけなのです。女が存在する事によって、初めて男の人(陽)、女の人(陰)となる訳です。
五行論
五行とは、木・火・土・金・水の五つを指します。実は陰陽を応用したものなのです。
- 陽中の陽を火。
- 陽中の陰を金。
- 陰中の陽を木。
- 陰中の陰を水。
- 中間的な存在である土。
東洋では、万物は五行によって構成されており、世の中のもの全てはそのいずれかの性質を有するとしています。五行論も陰陽論と同じく、それぞれが相互に関係を持っています。
【相生関係(そうしょうかんけい)】
木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生じます。このように、木火土金水の順に次にくるものを生む関係をいいます。これは母子関係とも呼ばれます。
【相剋関係(そうこくかんけい)】
木は土を剋し、土は水を剋し、水は火を剋し、火は金を剋し、金は木を剋します。このように、木火土金水の順で一つおいた先を抑制するという関係をいいます。




















